レーティング(DUPR)の話
「自分はどのくらいのレベルですか?」——始めて少し経つと、必ず出てくる質問です。その答えに使われている数字の仕組みを、初めての方向けにまとめました。
なぜ数字が必要になるのか
ピックルボールは、レベルの近い人同士で打ち合うと、いちばん楽しくなります。差がありすぎると、上の人は手加減し、下の人は触れないまま終わってしまう。だから多くのイベントが「初級」「中級」といった区分を設けています。
ところがこの区分は、自己申告だと人によって基準がまるで違います。謙遜する人もいれば、強気な人もいる。そこで、試合結果から自動で数字を出す仕組みが使われるようになりました。世界でもっとも広く使われているのが DUPR(デュプア / Dynamic Universal Pickleball Rating) です。
DUPRとは
DUPRは、試合結果をもとにプレーヤーの実力を数字で表す、民間のレーティングサービスです。国や大会をまたいで同じものさしを使えることが特徴で、日本国内でも、大会やインドア施設のイベントで採用される例が出てきています。
数字はおよそ2.0から8.0の範囲で表され、シングルスとダブルスは別々に出ます。登録そのものは無料で、年齢や競技歴の条件はありません。
数字はどう決まるのか
見ているのは、次の3つです。勝ち負けの数だけではありません。
- 勝ったか負けたか
- どのくらいの点差だったか(競った試合と大差の試合では意味が違うため)
- 相手がどのくらいの強さか
このため、強い相手に僅差で負けた試合は、数字が上がることがあります。逆に、格下に大差で勝ってもほとんど動きません。「勝ち数を稼ぐ」より「自分の実力どおりに打つ」ほうが、正しい数字に近づく設計です。
また、試合数が少ないうちは数字が動きやすく、信頼度(Reliability)という指標で「どのくらい確からしいか」が示されます。始めたばかりの数字は仮のものだと考えてください。
数字の目安
おおまかな目安です。境目は明確ではなく、同じ数字でも得意・不得意には幅があります。
2.0 – 2.9
はじめたばかり
ラリーが続き始める段階。サーブとリターンが安定してくるころです。
3.0 – 3.9
楽しく打ち合える
多くの愛好者がこのあたり。配球やポジションを考え始める段階です。
4.0 – 4.9
大会で戦う中〜上級
大会に出る方が多い層。狙って打ち分け、戦術で組み立てられます。
5.0 以上
トップ層
国内外の上位大会で戦う選手。プロは6.0を超えることもあります。
つくり方
DUPRの公式サイトまたはアプリで、無料のアカウントを作ります。あとは、DUPRに対応した大会・イベントに出るか、一緒にプレーした相手と試合結果を登録すると、数字がつき始めます。仕様や画面は変わることがあるため、手順は公式の案内をご確認ください。
上げたいときに効くこと
- 自分と同じか、少し上の相手と試合をする(格下との大差の勝利は、ほとんど数字が動きません)
- 1試合で終わらせず、継続して記録する(試合数が増えるほど数字の確からしさが上がります)
- 大会やラウンドロビンなど、結果がきちんと記録される場に出る
ただし、数字は目的ではありません
レーティングは、ちょうどいい相手と出会うための道具です。数字を上げること自体が目的になると、負けそうな試合を避ける、格下とばかり打つ、といった選択になりがちで、上達からはむしろ遠ざかります。
JPPFは、競技の統括団体ではなく、ピックルボールの入口を広げる立場です。数字を持たない人が楽しめなくなるような使い方は勧めません。大会に出たい方、自分の伸びを測りたい方にとって便利な道具のひとつ、という位置づけでご紹介しています。DUPRは民間企業のサービスであり、当協会との利害関係はありません。
